今回は、更年期に起こる心の不調やイライラの原因を紐解きながら、体に負担をかけない解消法ともいえる「ストレッチとウォーキング」についてご紹介します。
更年期に起こるイライラと自律神経の関係
更年期は、自律神経の乱れが身体や精神の不調を引き起こします。これは卵巣の機能が閉経に向けて低下し、女性ホルモンのバランスが崩れることによって生じます。更年期より前の年代では、脳の視床下部から卵巣へ指示が送られ、女性ホルモンの分泌が促されます。しかし、更年期に入ると、女性ホルモンが急激に減少し、それが自律神経の働きに影響を及ぼします。この乱れが不調の原因となるとされています。したがって、更年期の不調を健やかに乗り越えるためには、自律神経をどのように他のケアで調整するかが重要となるのです。
気持ちがモヤモヤッとしたら肩まわしストレッチを
自律神経の乱れは筋肉に緊張を引き起こし、結果として体が硬くなってしまいます。筋肉の緊張を解放し、自律神経を正常化するためには、肩まわりのストレッチが有効です。日々のちょっとした合間に取り入れることで体の硬さを和らげると同時に、自律神経のバランスを整えることが可能です。
<5ステップ:肩まわしストレッチの方法>
1. 胸の前で両手をあわせ、鼻からゆっくり息を吸いながら、そのまま両腕を頭の真上にあげて、腕をのばします。
2. 両手をあわせたまま両腕をそのまま左右に動かし、両腕・両脇の筋肉をのばします。息を大きく吐き続けながら20秒間キープしましょう。
3. 後頭部にむけて腕を曲げながら両手をおろし、両手を離しながらその手を両肩に置きます。
4. 肩甲骨の開きを感じながら肩を前後それぞれ10回まわします。
5. 再び、胸の前で両手を合わせます。このセットを5回行います。
ストレッチは、「呼吸を止めずに筋肉を伸ばす」ことが重要です。これにより血流が促進され、疲労の回復やリラックス効果が促進されます。心地よい気分転換としても効果的なため、家事や仕事の休憩中、朝や寝る前など、ご自身の良いタイミングでぜひ行ってみてくださいね。
正しい姿勢で行うウォーキングで健やかな心身へ
適度な運動は更年期の不調改善に有効で、特にウォーキング(散歩)は簡単に始められます。正しい姿勢を心がけることが重要で、耳から足まで(後頭部、背中、おしり、ふくらはぎ、かかと)が一直線になるように心がけましょう。このとき体の中心、つまり体幹を意識すれば、自然とお腹も引き締まります。正しい姿勢をマスターしたら、大股で歩いてみましょう。もし歩幅が狭くて歩きにくいと感じる場合は、腕をリズミカルに振ることで自然と足が前に出ます。
さらに、両肩の高さを揃え、胸を軽く張ることで、呼吸もスムーズになるでしょう。なお、足への負担を軽減するためには、足裏を適切に使用し、足のアーチを意識した歩き方が大切です。かかとから着地し、小指と親指のつけ根へと体重を移動させ、最後に親指が地面から離れるように踏み込むことがポイントです。
軽めの運動は血流を促し、体内にたまった毒素などを排出するとされています。いきなり「毎日1万歩以上歩く・○時間歩く」といった、あまり高い目標を設定すると挫折しやすいので、まずはできる範囲で少しずつ運動をする習慣を身につけることが重要です。
更年期特有のイライラを抑えるためにも、日々のストレッチや歩く習慣を少しずつ始めてみましょう。