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フランス人は何から始めている?フランス流フェムケアとデリケートゾーンのケア法

日仏ビヤンネートル協会 小西俐舞ナタリー
フランス人は何から始めている?フランス流フェムケアとデリケートゾーンのケア法

日本で少しずつ耳にするようになってきた“フェムケア”というワード。海外ではどのように取り入れられているのかを知ることで、私たちが今後取り入れるべきアイデアやヒントが見つかるかもしれません。

今回は、フランスと日本の両方のバックグラウンドを持つ小西俐舞ナタリーがナビゲート。

フランスで実際に行われている教育やデリケートゾーンケアについてご紹介します。

 

フランス人女性の溢れる自信はボディケアから

年齢を重ねるごとに人生を謳歌し、公私共に溌らつと生きているイメージのあるフランス人女性。実際、彼女たちは何歳になっても自分へのケアを怠らず、それが彼女たちの揺るぎない自己肯定感や自信へと繋がっています。

なかでもボディケアに対しては余念がなく、保湿ケアやマッサージ、適度な運動、バランスの取れた食事、そしてリラクゼーションなど、複合的にアプローチするのが特徴です。内面も外見も美しく輝くためのケアには、もちろんデリケートゾーンへのアプローチも含まれますが、その教育は家庭からスタートします。

 

フランスにおける性教育の考えかた

ここで少しだけ、フランスの性教育やその背景について確認してみましょう。フランスの性教育は公立幼稚園(保育学校)の3歳からと、日本に比べて早い段階から始まります。とはいえ、第二次性徴や妊娠のメカニズムの話ではなく、「自分と他人の体を大切に扱う」という考えを根底に伝えていきます。

その背景として、フランスが個人主義の社会であること、そして過去に幼い子供に対する性被害が問題視されたことの2つが挙げられます。自分の心や体の健康は自分でしっかり考え、自ら責任を持つことや、子供たちに正しい知識を早めに教えることで、自分自身を守る力、そして他人の体も尊重する考え方が身につくと期待されています。

さらに、フランスは恋愛に対しても積極的な考え方を持っています。性教育が年齢に応じて適切に行われることで、性や恋愛、そしてセルフケアに対する適切な知識と態度が身につくと考えられています。

 

親から子へと伝えられるデリケートゾーンケア

こういった背景から、フランス人の親はデリケートゾーンも“秘め事”として捉えません。筆者の場合、父親から自分の体を適切にケアすることを教えられましたが、なかでも印象的だったのは、体を洗う洗浄剤とデリケートゾーンを洗うソープの2種類を使い分けるよう言われていたこと。

体を洗うものはどこでも手に入るような一般的な洗浄剤でしたが、デリケートゾーン用に関しては、自然派由来の肌に優しいピュアな石けんを選択。性教育に対する具体的な言及はなかったものの、毎日洗うデリケートゾーンを肌に優しい石けんに変えることで、肌へのダメージを最小限に抑えるだけでなく、他のパーツ以上に大切に扱うべき場所だと、ケアアイテムを以て教えられました。

したがって、大人になった今も必然的に、体に直接触れるものは極力肌に優しいアイテムを選ぶ傾向にあります。今では多くのデリケートゾーン用のソープが発売されており、テクスチャーや香り、そして形状もさまざまです。石けん以上に保湿力が高く、デリケートゾーンのpHバランスを適切に整えてくれる自然由来のアイテムも増えてきたので、肌の状態や気分、周期などに合わせて使い分けることを楽しんでいます。

 

まずは日々のボディソープを見直してみよう

自分の体を大切にし、内面も外見も美しくありたいという願いは、どの国の女性にも共通するものです。日本は、フランス以上に衛生観念が高い国民として世界中から知られていますが、その一方で、大切なパーツのひとつともいえるデリケートゾーンにおいては、教育の長い歴史から見過ごされ、タブー視されてきたのも事実です。

日本でも少しずつ、自分の体に向き合う機会、そしてそのきっかけをもたらしてくれるようなアイテムも増えてきました。難しく捉えられがちな“フェムケア”において、もし何から始めて良いかわからないときはまず、毎日必ず使用する洗浄アイテムを見直してみませんか。小さなアクションであっても、見えないパーツにも気を配ることできっと体や心に対する意識が変わってくるでしょう。

 

小西俐舞ナタリー

Profile

小西俐舞ナタリーこにし りま なたりー

一般社団法人日仏ビヤンネートル協会代表

パリで生まれ育ち東京で暮らしながら、美容媒体編集者として培った知識と経験を元に同協会を設立。FMラジオパーソナリティやエルオンライン、マリ・クレールなどを通じてフランスと日本の最新トレンドやオリジナルのビューティメソッド、「ビヤンネートル(Bien-être)」にまつわる情報発信を行う。
https://institut-du-bienetre.com

パリで生まれ育ち東京で暮らしながら、美容媒体編集者として培った知識と経験を元に同協会を設立。FMラジオパーソナリティやエルオンライン、マリ・クレールなどを通じてフランスと日本の最新トレンドやオリジナルのビューティメソッド、「ビヤンネートル(Bien-être)」にまつわる情報発信を行う。